2023年8月3日木曜日

f(x)を体K上のn次多項式とするとき(n≧1)、「L:K」≦n!となるf(x)の分解体Lが存在の証明(帰納法)をChatGPTに聞いてみた。

次のような質問をしてみた。

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f(x)を体K上のn次多項式とするとき(n≧1)、「L:K」≦n!となるf(x)の分解体Lが存在することの証明が以下のように書いてあるのを見つけました。

<証明>nについての数学的帰納法によって示す。n=1のときは、K自身が f(x) の分解体であるので n≧2として良い.

また f(x)に2次以上の既約因子(規約元となる約元)がなければ、K自身がf(x) の分解体となる。そこで f(x) には2次以上の既約因子があるとしてよく、その1つをg(x)(∈K[x])とする。

このとき、剰余環 M = K[x] /K[x]g(x) は K を真に含む体となり 、g(x)の1つの根α( K[x]/K[x]g(x)におけるxの余剰類)を元としてもつ。

いまdeg g(x)=d(≧2)すると

  M=K[α]=K+Kα+Kα^2+Kα^3+….+Kα^d-1  である。

そこで「M:K」=d となり、 f(x) は M 上の多項式と見ると 、f(x) は M[x] において約元 x-αを持つ。よって

f(x) = (x-α)h(x) (h(x)∈ M[x])とおくと、

deg h(x)=n-1であるので、h(x) に数学的帰納法の仮定を用いることができる。

したがって [L:M]≦(n-1)!となるh(x)の分解体Lが存在する。

ここで、Lは f(x) の分解体となり 

[M:K]=d = deg g(x) ≦ deg f(x) = n

であるので

[L:K]=[L:M]「M:K」≦n!

も成り立つ。

<証明終わり>

この証明の「deg h(x)=n-1であるので、h(x) に数学的帰納法の仮定を用いることができる。したがって [L:M]≦(n-1)!となるh(x)の分解体Lが存在する。」をわかりやすく説明してもらえますか?

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回答:この証明の目標は、体K上のn次多項式f(x)(ただしn≧1)に対して、次の条件を満たす拡大体Lが存在することを示すことです:「L:K」≦n!(ここでKは体Kの元を表します)

証明では数学的帰納法を用いて、この主張を示します。

基本的なケース:n = 1

n = 1の場合、f(x)は1次多項式になります。このときK自体がf(x)の分解体となるため、n = 1の場合は結果が成り立ちます。

帰納法のステップ:n ≥ 2と仮定します


次に、2つのケースを考慮します:

ケース1:f(x)に2次以上の既約因子がない場合

もしf(x)に2次以上の既約因子がない場合、f(x)はK[x]で既約となり、K自体がf(x)の分解体となります。したがって、この場合も結果が成り立ちます。

ケース2:f(x)に2次以上の既約因子がある場合

f(x)の中に、少なくとも1つの2次以上の既約因子g(x)があるとします(ここでd≥2)。この場合、f(x)はf(x) = g(x) * h(x)と書けます。ここで、h(x)は別の多項式です。

次に、商環M = K[x] / (K[x]g(x))を考えます。この環はKを真に含む体となります。また、g(x)の1つの根α(K[x]/K[x]g(x)におけるxの剰余類)をMの元として持ちます。

ここで、deg(g(x)) = dであるため、拡大M:Kの次数は[M:K] = dです。

次に、f(x)をM上の多項式と見ると、f(x)はf(x) = (x - α) * h(x)という形に因数分解できます。ここで、h(x)は次数がn-1の多項式です。

ここで、帰納法のステップが必要になります:h(x)の次数がn - 1であるため、h(x)に対して帰納法の仮定を使用し、h(x)の分解体LがM上に存在し、[L:M] ≤ (n - 1)! となります。

したがって、Lはf(x)の分解体であり、[L:M] ≤ (n - 1)!が成り立ちます。

また、[M:K] = d = deg(g(x)) ≤ deg(f(x)) = nであるため、[L:K] = [L:M] * [M:K] ≤ (n - 1)! * d です。

しかし、d = deg(g(x)) ≤ deg(f(x)) = nであることを思い出してください。したがって、d ≤ nです。

以上をまとめると、[L:K] ≤ (n - 1)! * d ≤ (n - 1)! * n = n!となり、帰納法のステップが完了し、nに対して主張が成り立つことが示されます。

したがって、数学的帰納法によって、n ≥ 1のすべての場合に主張が成立することが証明されました。

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ここで、再度質問

(n-1)!が突然でてきたように思いましたが、帰納法なので、この(n-1)!を仮定した場合に、n!でも成り立つことを言えばいいということですね

回答:

そうです、おっしゃる通りです。申し訳ありません、私の説明が混乱を招いたようです。

帰納法の基本ステップで「n = 1」の場合を示した後、帰納法の仮定として「n = k」の場合に「L:K」≦k!と仮定し、それを使って「n = k + 1」の場合を示すことが目標です。

具体的には、以下のように示されます:

基本的なケース:n = 1の場合は、「L:K」≦1!= 1が成り立つことを示します(既に説明済み)。

帰納法のステップ:n = kの場合を仮定する

ここで、「n = k + 1」の場合について考えます。

f(x)がk + 1次の多項式の場合、先ほどの証明により、f(x)はM上の多項式と見ることができます。すなわち、f(x) = (x - α) * h(x)と書けます。ここで、h(x)は次数がkの多項式です。

帰納法の仮定より、「L:M」≦ k! が成り立ちます。しかし、MはKを真に含む体であるため、「L:K」 = 「L:M」 * 「M:K」 となります。

従って、「L:K」≦ k! * d ですが、ここでd = deg(g(x)) ≤ deg(f(x)) = k + 1という関係があります。

したがって、「L:K」≦ k! * (k + 1) = (k + 1)! が成り立つことが示されます。

以上より、帰納法の仮定が成り立つ限り、「n = k + 1」の場合にも主張が成り立つことが示されます。そして、数学的帰納法によって、「n ≥ 1」のすべての場合で「L:K」≦n!が成り立つことが証明されます。

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さらに質問する。
元の証明で、「g(x)の1つの根α( K[x]/K[x]g(x)におけるxの余剰類)を元としてもつ。」を詳しく説明してもらえますか。g(x)にαを代入してg(α)=0になることと、g(x)にxの剰余類(x+K[x]g(x))を代入してg(x+K[x]g(x))=零元となることが同値だという解釈でいいですか?

回答:
はい、その解釈で正しいです。
元の証明では、「g(x)の1つの根α( K[x]/K[x]g(x)におけるxの余剰類)を元としてもつ。」という部分があります。これは、次のように解釈できます:
g(x)がK[x]上の多項式であるとします。そして、K[x]/K[x]g(x)はg(x)で割った剰余環を表します。この剰余環は体になります。
まず、g(x)にαを代入してg(α) = 0になることを考えます。これは、αがg(x)の根であることを意味します。
次に、「g(x)にxの剰余類(x+K[x]g(x))を代入してg(x+K[x]g(x)) = 零元」ということを考えます。ここで、x+K[x]g(x)はK[x]g(x)を割った剰余類を表します。
剰余環では、K[x]g(x)は0になります。そのため、g(x+K[x]g(x)) = g(x) となります。また、g(x)はg(x)の剰余環における0の元でもあります。従って、g(x) = 零元ということが分かります。
したがって、g(x)にαを代入してg(α) = 0になることと、g(x)にxの剰余類(x+K[x]g(x))を代入してg(x+K[x]g(x)) = 零元となることは同値です。
このように、g(x)がK[x]上の多項式として、g(x)に対応する剰余類であるαが存在することが示されています。そして、このαをM = K[x]/K[x]g(x)におけるxの余剰類として扱い、以降の証明に利用しています。
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少しあやふやな感じもしますが、これでいいのだろうか?

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