2019年12月26日木曜日

Newton量子論のすべて新訂版を読んで考えたこと

 Newton別冊を久しぶりに読んでみました。2019.7.5発行なので、まだ新しい本です。一般向けに、量子論についてわかりやすく書かれています。
・量子論の歴史
・コペンハーゲン解釈:電子の波は、マクロな物体と相互作用すると収縮をおこす。
なぜ、収縮するかは今も謎
・電子が複数の場所に同時に存在する。
・不気味な遠隔作用:遠く離れた2つの粒子の一方を観測すると、両方の状態が瞬時に決まる奇妙な現象。量子もつれ(量子エンタングルメント)
・多世界解釈:枝分かれしていく世界
・量子テレポーテーション:地球から月へ猫を転送する。量子もつれと電波の情報により、猫を構成する物質の情報を送信し、その情報を使って月側で猫を再生する。月にある原子も、地球上の原子も同じで、それらの再構成なので、まったく同じ猫といえそうです。理論上可能でも、量子状態の維持の困難さや情報量の膨大さがあるので現実には困難ですが。

 読み終わって、ふと疑問がわきました。量子テレポーテーションで、転送された場合、地球上の猫はこわれるそうですが、月に再構成された猫に、意識は引き継がれるのだろうか?ということです。
 たとえば、一晩寝ている間に、自分の体に量子テレポーテーションが適用されたら、次の朝起きたとき、いちおう、前日までの記憶は残っているので、自分は自分だという意識はあるのかもしれません。自分とは、まったく別の身体が、じつは、昨日まで存在していてその記憶を、今現在の身体が引き継いでいるということになるのでしょうか。
 そう考えてくると、命や意識という概念は、記憶を軸にして唯一ひとりの身体に連続して存在していると思うけれど、遠い未来には、じつはそうでないこともありえるということなのでしょうか。考えれば考えるほどわからなくなります。