2024年11月7日木曜日

ホッファー 大衆運動 を読む

ホッファーについては、以前から興味を持っていたので、図書館で借りられたので読んでみた。

個人と大衆運動: 個人が自己中心的な生活から無私の生活へと移行することは、自尊心を高める手段となり得る。大衆運動は個人の希望に代わる大きな希望を提供し、自己の生活を守るために他者に依存することもある。

大衆運動の特性: 一つの大衆運動はしばしば異なる性質を持ち合わせており、日本の民族主義は宗教的な性質を持つと指摘される。

移住と大衆運動: 歴史上の移住、特にローマ帝国時代のゲルマン民族の移動は、単なる民族移動ではなく、抑圧された人々が参加し、新たな社会運動の基盤を形成した。すべての大衆運動は約束の地を目指す移住のようなものと捉えられる。

不満と大衆運動: 自由が認められながらも欲求不満を緩和する手段が存在しない社会は、大衆運動が広がる肥沃な土壌となる。創造的な活動の欠如は、欲求不満を引き起こし、大衆運動の影響を受けやすくする。

労働と生産性: 個々の労働者への奨励給よりも、集団的な奨励給が生産性と満足度を高めることが示されている。

虚構の役割: 大衆運動においては、行列や儀式といった虚構が人々の心に訴える重要な役割を果たす。

言論人の役割: 大衆運動の興隆には言論人が重要な役割を担い、社会が活力を持ち続けるためには、独立した少数派の存在が必要である。東洋社会の停滞の一因は、教育を受けた人々が政府の一部であり、独立性が欠けていたことにある。→※これを読んで、現代の日本の社会動向(例えば学術会議と政府の対立や官僚の東大出身者の減少等)は、新たな大衆運動の下地ができつつあるのでないかと思った。

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