現実の政策を考えるうえで、経済モデルや数値データだけでは不十分であり、「人間・社会・国家とは何か」を問う哲学的思考が不可欠であるとしています。内容が難しく、何度か読み直さないと理解できない部分もありましたが、社会科学は本来こうあるべきものだということが納得できた感じはします。
政策の哲学という本は、なかなか、ひとことでまとめるのは難しいですが、複雑系の社会でも、科学的に分析ができる。そのカギが「実在」という概念のようです。表面上は見えない、物事の背景にあるメカニズムを正しくとらえる力が、政策決定者には求められるということのようです。
ルールを決めてそれに盲目的に従うのではなく、そもそもそのルールが正しく機能しているかどうかの検証が必要だということ、また、複雑系・開放系では、裁量・アジャイル・漸変主義、多中心性等が大切になってくること等 いろいろ参考になりました。